
家庭内では問題なくおしゃべりができるのに、学校などの公共の場や特定の場面で話せない状態になることです。
2~5歳の間に発症することが多い不安障害のひとつで、不安や緊張があるために話せなくなってしまったり動作ができなくなってしまう症状もあります。
緘黙児は問題行動をほとんど起こさないため周囲の人間が気づきにくく認知度も低いため、治療が必要なものとして認識されていませんが、周りの大人がいち早く気づき困難さに手を差し伸べてあげることが必要です。
性格特性と場面緘黙との区別が難しく、実際にはかなり多くの緘黙児が存在している可能性が高いとされています。
この特性を持った子は行動抑制的な気質があるとされ、偏桃体が関連していると考えられています。
偏桃体の反応を引き起こすのに必要な刺激や入力の最小限の値が低く、刺激に対して過敏に反応してしまうのです。
また、危険を感じる程度が普通の人よりも敏感で繊細なために、小さな不安を感じてしまうのではないかと言われています。
●感覚過敏⇒光や音に敏感、食べ物や衣服に好き嫌いが激しくある
●物事の受け取り方や考え方に偏りがある
●発達障害の可能性⇒身体発達がゆっくり、空気がよめない、不器用、バランスがとりづらい
●話し言葉や言語に問題⇒バイリンガル環境の子どもや家庭より高度で複雑なコミュニケーションが必要な状況
●言葉の意味の理解に時間がかかったり、単語を思い浮かべたり文章校正に時間がかかる
急激な環境の変化(転校、引っ越し、クラス替え)や恐怖や失敗、つらい体験などから場面緘黙症になることもあります。
不安の少ない環境を整え、自信を育てることや人と楽しい交流をサポートすることが必要です。
話すことを強要しない、返事をしない語り掛けを行うなど、身振りや動作でわかるコミュニケーションを心がけましょう。
●文字でのコミュニケーションを積極的にとる
・メモ用紙や付箋をさりげなく置いておき、筆談をする。
・時間差のある連絡帳や交換ノート、日記などのやり取り。
・筆談を嫌がる場合には1対1の場面で行ったり、書き直しがしやすいホワイトボードを利用する。
●1対1の場面を作る
・音読や発表の練習などを個別に行う
・休み時間に用事をお願いする
●答えやすい質問の仕方を工夫する
・指さしやカードを用いる
・すでに答えがわかっていることを聞く
・その場で答えることが難しいことは宿題にする
・あいさつ
「場面緘黙症は治せる」ということを場面緘黙の子どもたちに伝えてあげてください。
という著者の言葉どおり、場面緘黙の症状を改善させるために学校でできる具体的な方法が書かれています。
場面緘黙の子たちは自分から悩みを発信することができず、困っていないように見えるため援助が必要ないように見えるかもしれません。
でも学校で場面緘黙の子どもが放置されないように気をつけることが大切です。
イラストレーターである著者が「場面緘黙症」をより多くの人に知ってもらうために、自身の経験をマンガにしたものです。
同じ症状で苦しむ人のちょっとした支えになり、「いつかはしゃべれる」と心を軽くするお手伝いになればという願いがこもった本です。
場面緘黙の子どもの理解と支援を深めるために書かれた本です。
子どもが読みやすいようにオールカラーのマンガから始まります。緊張度チェックシートなどもついているため親子で取り組みやすく理解しやすい内容です。
学校や家庭での対応も紹介されているため、緘黙を知るための導入としてオススメです。
話したいのに言葉が出ない少女を描いた、日本で初めての場面緘黙の絵本です。
刊行後多くの方に読まれたおかげで版を重ねており、啓発書としての役割も果たしています。
子どもがわかる言葉で子どもの困難を説明しているため、子どもの理解を得ることができます。
幼稚園入園を機に「話せない子」になってしまった著者が、「話せない」を克服するためにいろいろ奮闘する物語です。
家庭の問題やさまざまな行き詰まり乗り越えた幼少期から大人になるまでの話は、もしかしたら身近にいるあの子もそうなのかも?という気づきを与えてくれます。
人とうまく関われないけれど、本当は話せるようになりたいと願う気持ちをたくさんの人に知ってもらいたいと願ってコミックやエッセイを公開しているそうです。
「かんもくって何なの⁉」の著者モリナガアメさんの本です。
「かんもくって何なの⁉」では幼少期から大人になるまでの話ですが、こちらは大人になってからの自分との向き合い方などについても詳しく描かれています。
場面緘黙だけでなくADHDや感覚過敏の特性も併せ持っていることを自己分析し、その後医療機関を受診して自分の特性を確信するなど、内容は医療専門家の本よりさらに正確です。
感覚過敏を治すことができるのは医者ではありません。子どもの感覚過敏を治すことができるのは親の力です。
首、あご、股関節、足など体の状態をよく観察し、感覚器官を育て、間接的なアプローチを行うことで改善されるかもしれません。